ISBN:978-4532322038 会計の世界史
ざっくり区分すれば、 19 世紀の企業経営は「規模」を目指し、続く 20 世紀前半には「効率」を目指すようになりました。
マッキンゼーの予算管理は初期の管理会計にとって、重要な「型」を提供しました。 それは「計画」重視の姿勢です。
日本の場合、1990年代後半に「カンパニー制」という組織が流行りました。これは管理会計的にいえばP/L責任しかなかった事業部制を一歩進め、バランスシート責任をももたせた組織形態です。各カンパニーのトップは利益と資産の両方に責任をもちます。つまりカンパニーROIに対して責任をもつわけです。
この悩ましい状況を打ち破るべく、「リターン」を重視する新たな分野が登場してきました──それが「企業価値」を旗印に掲げるファイナンスです
財務会計・管理会計といった「Accounting」から抜け出し、別領域として成立したのがコーポレート・ファイナンス( Corporate Finance) です( わが国ではコーポレートを省略して「ファイナンス」と呼ぶことが多いです)。